ダークアジャイルのトラウマを払拭して、20万使って認定スクラムマスターになった話


こんにちは、@24guchiaです。

先日、認定スクラムマスターを取得しました。
https://certification.scrumalliance.org/accounts/1115597-eiichi-nishiguchi/certifications/1274904-csm

なぜ認定スクラムマスターを取得したかなどをまとめておきます。

認定スクラムマスターをなぜ取得したか

会社でスクラム開発を導入し、スクラムマスターだったので、よりスクラムやアジャイルの流儀に則って開発したかったため。

今回始めてスクラムマスターになったんですが、僕はアジャイル開発にとてつもなく苦手意識がありました。

ダークアジャイル

ダークアジャイルとは、ニセのアジャイルと呼ばれる、アジャイルソフトウェア開発宣言やスクラム開発ガイドなどに従わない、嘘のアジャイル開発を指しています。

僕が始めてアジャイル開発をまともに知ったのは過去働いていた、いずれかの現場でです。おそらくアジャイルやらスクラムやらが流行ってるらしいからやろうというノリで始まったものと推察しています。

スクラム開発っぽい何かでしたが、スクラムガイドにある 3 本柱に正しく従っていませんでした。

  • 透明性
  • 検査
  • 適応

透明性は一部にのみ適用され、開発チームである僕やデザイナーなどはカンバンでタスクを管理され、見える化されていましたが、スクラムマスターやプロダクトオーナーといった人は見える化されていませんでした。

情報の非対称性を利用した政治的なやり取りも発生していたと思います。また、問題が起きても検査や適応がされず、同じような問題を置き続けていました。

 

また、これもスクラムガイドにある 5 つの価値基準も一部のみ都合よく解釈され使われていました。

  • 勇気
  • 確約
  • 公開
  • 尊敬
  • 集中

この中で確約を開発チームにだけ異常に求められていました。

このような歪んだ形でスクラム開発を適用すると、何が起きるかと言うと

スプリントの終わりにデスマーチが起きます。

2 週間毎にデスマーチが起きるのがアジャイル・スクラム開発だという間違った価値観を植え付けられてしまいました。

今となってはあれこそがダークアジャイルだと理解しています。

このままやってたら死ぬと思って、スクラムブートキャンプやアジャイルサムライなども読みました。

この経験があり、アジャイルやスクラムにとても強い苦手意識を持つことになりました。

間違った価値観を払拭するきっかけ

その後、数年はアジャイルやスクラムはまともに機能しない、バズワードくらいに思ったまま数年が過ぎました。

ベルフェイスでチームリーダーとなり、 PM とどう開発を進めていくかを話していたときに、スクラム開発を取り入れて、自律的なチームで進めていきたいという話を受けました。

スクラム開発って言うことは、 PM がプロダクトオーナーで、リーダーの僕がスクラムマスターっていうことですか?っていう質問に対し、

 

PM が「西口さんがスクラムマスターですよ」と何気なく言いました。

 

この一言がきっかけで、苦手意識を持ったまま、チームに迷惑かけたくないと思い、スクラム開発について、改めてちゃんと取り組むことを決めました。

最初はスクラム開発の本を読むだけでイライラしたり、明らかな拒否反応が出て大変でしたw

ダークアジャイルの経験による強い苦手意識が邪魔していましたが、まじめに勉強するとものすごく現実に即した開発手法だと価値観を改めました。

さらによかったこととして、新たに得たインプットをすぐに試せる場があり、開発チームにスクラム開発を正しく導入された現場で働いたエンジニアからアドバイスがもらえるという状況を得られたことです。

正しい価値観を得るため、やったことは下記。

アジャイルソフトウェア開発宣言、スクラムガイドをちゃんと読む

ぶっちゃけた話、アジャイルソフトウェア開発宣言とスクラムガイドさえちゃんと理解すれば、他に何も必要ないです。全部ここに書いてあります。

いろいろと勉強した結果、全部アジャイルソフトウェア開発宣言とスクラムガイドに書いてあったなってなるのでおすすめです。

アジャイルソフトウェア開発宣言: https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html
スクラムガイド: https://drive.google.com/file/d/1CWKsUqTK03je4wF2mYGPWzLO0R8izWMi/view

本を読む

本を読むのは他の人が実践した結果を得るためです。

本を読んだだけで運転できないように、ガイドを読んだだけでスクラムは導入できません。

実践あるのみですが、先人のミスを改めて踏む必要はないので、学んでいきましょう。

 

僕が参考にした本は下記です。

いちばんやさしいアジャイル開発の教本

いちばんやさしいシリーズのアジャイル開発版です。

題名の通り、やさしく噛み砕かれた内容で知見が得られるので、アジャイルソフトウェア開発宣言とスクラムガイドを読み終えた後に読んで見るとよさそうです。

アジャイルソフトウェア開発宣言、スクラムガイドはあくまで指針でしかなく、現実に沿った具体的な手法を得るにはいい本だと思いました。

他者と働く

他者と働くはあまりスクラムっぽくないですが、透明性を担保するために、互いの価値観を越えられるようにナラティブの理解をしましょうというような内容です。

画像クリックで読了記事に遷移します。

エッセンシャルスクラム

上の 2 冊とは一線を画すページ数ですが、スクラム開発とは何で、各イベントにはどういう意図があり、具体的にどのように組織を運用するべきかがまとまっている本です。

著者の Kenneth S. Rubin 氏はスクラムアライアンスという各種スクラムの認定を行っている NPO 団体に所属している方です。

企業へのスクラムの導入支援などを行っており、スクラムの権威の一人と言えるでしょう。
https://innolution.com/about-us/kenneth-s.-rubin

読むのがなかなか大変ですが、一番おすすめです。

動画を見る

Udemy に認定スクラムマスターの動画があります。

僕は見終わっていませんが、本を読むのが苦手という方にはこちらをおすすめします。全編英語です。
https://www.udemy.com/share/101GX4AEITcF1aRHoJ/

普通に買うと高いですが、定期的に 90% 引きとかになるので、セール期間を狙って買うのがおすすめです。

 

また、アジャイル開発の基本という動画も参考になります。

こちらは無料です。
https://www.udemy.com/share/103j3eAEITcF1aRHoJ/

認定スクラムマスターに話を聞く

一番刺激的で勉強になったのは先人に話を聞くでした。

本を読んだりして、ある程度の勉強を状態で聞けるとよりよい刺激になります。

僕は友達のツテで話すきっかけがありました。

 

認定スクラムマスターのツテなんてないよって人は、 Scrum Masters Night に参加してみたりするのがいいんじゃないでしょうか。
https://smn.connpass.com/

 

あれ?この記事の上の方に認定スクラムマスターを取ったみたいなこと書いてなかったっけ??(すっとぼけ)

DM お待ちしています!

ライトアジャイル

闇であるダークアジャイルに対して、ライトアジャイルは光( Light )であり、正しく( Right) 運用されるアジャイル開発を指しています。

アジャイル開発の運用方法は組織や個人によって大きく変わります。

そのため、スクラムガイドにある 3 本柱を適用して運用を回していく必要があります。

 

透明性を担保して運用し、スプリントの終わりに検査をして、スプリントのはじめに検査への改善策を導入する適応が存在しています。

 

ダークアジャイルに関わって、思考停止してしまっている人がいたら、ぜひもう一度学び直してほしいです。

闇を払うライトアジャイルへ思考を切り替え、組織へライトアジャイルの導入と支援を進めていっていただければと思います。

まとめ

認定スクラムマスター自体はただの資格です。

勉強すれば誰でも取れます。

認定の名に恥じないスクラムマスターとして、スクラム開発の導入、支援をしていけるよう研鑽していきたいです。

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