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IP電話からTwilioに乗り換えての1年振り返り
こんにちは。
Twilio Advent Calendar 2018の8日目の記事です。
電話サービスをTwilioに乗り換えておよそ1年経ちました。
乗り換えのきっかけや理由などはこちらにて。
良かったこと
会社として
- 電話機から解放される
- 通話ログ分析の礎になり、成果が出始めそう
- 社外に会社の名前が知られるようになった
電話機からの解放
TwilioはWebRTCを利用した通話なので、電話機を必要としません。
また、Twilioの特長としてWebRTCとPSTNの通話をAPI一つで
可能にする点が特長です。
そのため、PCで電話が可能になります。
ということは、電話機は要りませんね。
Twilio導入したことで電話機がなくなり、ヘッドセットだけになりました。
また、電話回線を引っ張っていったりする必要もないので、
引っ越しも手軽です。便利ですね。
PCでCRMを利用し、そのままシームレスに通話に繋げられるのも
業務効率化に繋がっています。
通話の分析
今やっていることは一定以上の長さの通話をテキスト化し、
その内容をテキストマイニングし、売上に影響があるかどうかです。
かなり泥臭い手法でやってます。やってるというか、
データアナリストがやってくれてます。感謝。
詳細はKWCの事例紹介ページでその内紹介されるので、
そちらを乞うご期待!w
https://twilio.kddi-web.com/case/
社外に社名がインプレッションする環境ができつつある
今年だけで2つのイベントでインプレッションしました。
https://twiliomeetup.doorkeeper.jp/events/75635
この記事や登壇時にも弊社名が出ています。
また、セッション内でteratailとコラボして、
公式Q&Aコミュニティが出来たとアナウンスもあり、
大勢の前で名前が知られたことでしょう。
https://teratail.com/tags/Twilio
このように取り上げていただける環境が出来つつあり、
非常にありがたい状況です。
個人として
- 技術力向上
- 視座向上
- セルフブランディングの確立
技術力向上
TwilioはWebRTCなので、普通のWebエンジニアでも出来ます。
出来ますが、実際にはWebRTCの知識やなんとなく本で読んだ!くらいの
理解度であったUDPなどのプロトコルについて、
実践的な知識が得られます。
また、WebRTCはまだまだ標準化のためにドラスティックな変更が多く、
それらに追いついている必要があるため、
常に知識のアップデートが求められます。
WebRTCはこれからiOS/Android対応も進んでおり、
VTuberの台頭などビジネス的にも追い風が吹いていますが、
技術者はまだまだ足らなさそうです。
GoogleのコンタクトセンターAIやAWSのAmazonConnectなど、GAFAの参入もあり、
今後WebRTCやコンタクトセンターに知見のある開発者の需要は増えます。
第一歩として、TwilioでWebRTCについて学び始めるのはどうでしょう?
視座向上
エンジニアとしてWebサイトを作るだけでは得られなかった視座が得られたと考えています。
得られた理由ですが、Twilioでコールセンターを作って終わりではなく、
そこから組織の改善まで果たす必要があるからです。
ただのコールセンターが必要なのであれば、出来合いのCTIを使うのが良いです。
Twilioを使うようになり、会社としてお客様とどうコミュニケーションを取れる
コンタクトセンターの理想像を明確に描くようにしていたら
上がったような気がします。
コンタクトセンターについて、
理想像を明確に描けている人はおそらく少ないでしょう。
これを自分で考え抜いて、組織の理想像と何を施策として行うかの
改善の方法まで考えられることで上がったのではないかと考えています。
この部分は人によりますし、本当に上がったのかは
僕ではなく他人が評価するべきことですが、
少なくとも自信を持ってやれていると考えています。
セルフブランディングの確立
これが一番個人的には大きかったです。
ただのしがないWebエンジニアでしたが、
今では社外でも名前を知ってくれている方が増えてきていて、
バイネームで副業や転職案件オファーなども届くようになりました。
これはTwilioを使った大型コンタクトセンターがまだ国内にないからというのが大きく、
技術的にはTwilioのAPIドキュメント読み込みと後は気合なので、
Twilioが他の技術より飛び抜けて難しいとは思ってないです。
ここであえてブルーオーシャンに飛び込んだ価値が合ったと思ってます。
また、挑戦させてくれた会社とリーダーには感謝しています。
大変だったこと
- 24/365運用される電話の保守
- 困ったときに会社で相談出来る人が少ない
- 現場のPCやルータ、通信事業者の問題に巻き込まれる
保守の大変さ
Webなんだから、当然24/365の保守は当たり前だろうと思われるかも知れませんが、
電話は曜日や営業時間、在席している人の状態、TwilioとPSTN内の通信事業者の状態など、
複雑な要因が絡み合うので、通常のWebサイトより問題が起きづらいなと感じています。
特に曜日と時間の概念がWebサイトとは異なります。
平日の10時でも、休日の22時でも、Webサイトは基本的に返却される結果が変わりません。
ですが、コールセンターにおいて平日の10時と休日の22時では、
営業時間の概念があるため、返却される結果が変わりえます。
そのため、テストが難しく、不具合発生時にクリティカルな問題につながり得る
リリースは時間をずらしたり、夜中にモニタリングしたりなどを行う必要があります。
これらの大変さは人を増やし、協力体制を組んでおく必要がありますね。
現在、対策を講じている最中で、協力してくれる人が多くて、助かってます。
相談相手が少ない
技術のブルーオーシャンに飛び込むメリットを上に挙げましたが、
同時に大変なことでもあります。
ググって出てこないは往々にしてあるし、
相談してもそれをやっている人は国内にいないというような
回答が返ってくることもあります。
革新的過ぎて誰もまだやっていないのか、
誰かが考えたけど、価値がないからやってないのか見極める必要があります。
ここは判断をうまいことすると、先のセルフブランディングに繋がるので、
判断の末、やりきる覚悟を決めましょう。
Twilio関連で相談相手がいないのであれば、
僕なりTwilioデベロッパーなりに聞いてみてください。
@24guchia
責任範囲外のことに巻き込まれがち
電話は社会インフラです。
動かないとユーザはみんなイライラします。
ちょうど、つい先日にも大手通信電話会社で大規模な通信障害がありましたが、
携帯電話販売店にクレームいれる人もいたようですね。
それだけ重大で安定していると考えられているインフララインです。
Twilioを用いたソフトフォンはいろいろな要因を受けます。
Twilioはもちろん、Twilioが乗っているAWS、通信事業者、
ネットワークプロバイダ、社内ルータHUB、
LANケーブル、PC、そしてやっと僕が作ったソフトフォンが音声パケットを拾い、
ヘッドセットを経て、音となり声が耳に届きます。
ですが、ユーザに見えるのはソフトフォンだけです。
LANが引っこ抜かれてようが、ヘッドセットが壊れてようが、
どこかの通信事業者で障害が起きてようが関係なく、
ソフトフォンが壊れた!という判断になります。
原因究明も難しいし、原因がわかったところで
通信事業者で問題が起きているとどうしようもなかったりします。
これを伝えるのは難しく、大変です。
ですが、とにかく一つ一つ丁寧に対応することで、
逆に現場からの信頼を得られるということも起きています。
これは今一緒に保守をやってくれているエンジニアから学ぶことが多く、
その点自分はもっと改善していく必要があるなと感じています。
これからのこと
現場からの不満をなくし、必要な機能改修を終わらせて、
分析による現場の業務効率化を進めたいです。
改善の方法は売上を増やすのと、
必要なときに必要なだけ働ける仕組み作りだと考えています。
そのために、分析できる仕組みを最大限に使っていきます。