Amazon Connect vs Twilio

こんにちは、@24guchiaです。

東京リージョンでの提供が始まったので、
Amazon Connect(以下Connect)とTwilioについて比較してみました。

2019/01/17 TwilioでもOpusが限定で使える旨、
またFlexにて5000時間の無料利用枠ある旨追記しました。

Connectのメリット

03番号が使える

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/connect-tokyo-region.html

一定以上の規模の企業だと、必ず希望が出る地域番号、
特に03番号を普通に買って使えるのは良いですね。

03番号が出るということは、これからも他のいわゆる0ABJが
利用できるケースが増えてくると考えられます。
住所証明の書類審査もあるようですが、これは許容範囲。
審査の詳細は上記出展URLの下部を参照してください。

0120番号が申請無しで買える

Twilioでも0120番号は買えますが、これには書類審査が必要です。

Connectでは書類審査なしで購入でき、
すぐ使えるのはスピード感があり、非常に良いですね。
しかし、0120番号は貴重で100万番号しかなく、枯渇している状態です。
その0120番号をどうやって確保しているんでしょうね。
いずれ在庫がなくなるのではという懸念があります。

無料利用枠がある

https://aws.amazon.com/jp/connect/pricing/

これ、めちゃくちゃ良いですね。
Twilioは認証に使った一つの番号に対してのみしか発信できませんが、
このドキュメントを見る限りでは、どこに対しても受発信できそうです。

Twilio Flexは5000時間無料枠がありますので、
そちらもご参照ください。

AWSの各種サービスとの連携が容易

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/what-is-amazon-connect.html#related-services-amazon-connect

AWSのS3で録音ファイルを溜めたり、Lambdaを使えたり、
LexやPollyといった音声に関するサービスとは相性が非常に良さそうです。

CloudWatchとの連携

個人的に一番気になったのが、CloudWatchとの連携です。
上記URLから引用。
Amazon Connect は CloudWatch と統合し、1 秒あたりの総コール数、拒否またはスロットリングされたコール数、同時コール数の割合、失敗/不在着信コール数 (エラー、間違い番号/住所,ビジー/通話中)、および問い合わせフローエラーなど、サポートセンター用のリアルタイム運用メトリクスを提供します。

素晴らしいですね。これ他のCTIだとめっちゃ高いですよ。
席数単位で似たような機能を使うため、
月額1万円超えるようなサービスもあるくらいです。

CloudWatchは従量課金ですが、かなり安くなりそうです。
ClowdWatchには最大二週間分のみ、保存されるとのことなので、
一週間単位などでバッチでどこかに移行させる必要はありそうですが、
それでもこの料金は破格だと思います。

Opusでコーデックしている

TwilioのVoiceはPCMUですが、
ConnectはOpusでオーディオコーデックしています。
※ 執筆当時。現在は、 Twilio でも Opus も利用可能です。

IP電話では一般的にPCMUが使用されていますが、
WebRTCのデファクトスタンダードはOpusです。

また、一般的にOpusのほうが後発のコーデックのため、
軽量で品質が良いと言われています。
これがデフォルトで使用できるのは嬉しいですね。

Twilioのメリット

電話以外が取り扱える

Twilio最大のメリットですね。
Twilioといえば電話というイメージがとても強いですが、
電話以外のありとあらゆるコミュニケーションを取り扱うことができます。
最近だとSendGridの買収があったり、LINE通話と連携の話が上がったりと、
いろいろと目を引くニュースがありました。
SMS、メール、LINEやFacebookなどのメッセージングサービスなど、
お客様がコミュニケーションを取るために利用するチャンネルは複数ありますが、
それを一元管理して繋いでくれるのがメリットです。

国内導入事例が豊富

https://twilio.kddi-web.com/case/

いっぱいありますね。
規模としては約500名のコンタクトセンターで使ったり、
機械音声での自動化など大小様々です。
この辺のノウハウを活かしやすいのが嬉しいですね。

コミュニケーションプラットフォームとして、明確な方針を打ち出している

最近のFlexから見るに、Twilioは電話以外のすべてのコミュニケーションパスが
利用できる、コミュニケーションプラットフォームとして進化していくことが明確です。
対して、ConnectはAWSの数あるプロダクトの一つです。
そのため、Twilioのほうが後発のコミュニケーションパスへの
対応速度も速くできることが予測されます。

料金の比較

Connectは下記ページを参照

https://aws.amazon.com/jp/connect/pricing/

Twilioは下記ページを参照

https://twilio.kddi-web.com/price/

注意

料金参照ページの通りに列挙しているだけのため、
Connectは税抜き、Twilioは税込み価格となっていることを予め補足しておきます。

電話番号保有料金

前提として1ヶ月は30日とします。
1USDは2018年12月19日時点の112円としています。

050/03番号の場合

Connect: 3USD (約336円)
Twilio: 108円

0120/0800番号の場合

Connect: 14.4USD (約1617円)
Twilio: 1620円

受電料金

050/03番号の場合

Connect: 0.003USD (約0.34円)
Twilio: 1円

0120/0800番号の場合

Connect: 0.1482USD (約16.65円)
Twilio: 21.6円

架電料金

Connect

0.1USD (約11.2円)

Twilio

固定電話: 5.4円
携帯電話: 16.2円
SIP宛: 0.5円

その他料金
Connect

サービス利用料金 0.018USD/分
24時間30日稼働していると、777.6USD(約87,347円)かかります。
けっこう大きい出費な気がします。

Twilio

Twilio Client使用料金 0.25円/分
Twilio ClientはPC上でWebRTCを用いて、PSTNと通話をするためのライブラリです。
そのため、席数が多いとそれだけ料金がかかります。
例えば、8時間勤務のオペレーターがずっと通話していると仮定すると、
1日あたり120円かかります。
とはいえ、一日中通話をしているわけではないため、実際はもう少し安いです。

で、結局どちらを使うべきか?

私が考えるには、下記の判断基準でよいと考えています。
作ろうとしているものはコールセンターか、コンタクトセンターか?
コールセンターを作ろうとしているのであればConnect、
コンタクトセンターを作ろうとしているのであればTwilio。

電話を使った通話は、
総務省の資料によると減少傾向です。

減少傾向となっている原因はLINEやDiscordなど、
コミュニケーションアプリでWebRTCを用いた通話による
コミュニケーションが増えた割を受け、電話による通話が減っていると考えられます。
そのため、これから一層減少傾向になり得る電話だけに注力するべきなのか?
もう一度問いかけたいところです。

まとめ

Connectは魅力的な機能を持っています。
ただし、どんな技術でも使ってみないとわからないデメリットもあります。
ご利用前には綿密な比較を行って、多角的な評価にて採用してください。

使ってみないとわからないので、
Connectでも簡単なコールセンターデモアプリを作ってみて、
また記事にまとめたいと考えています。